こんにちは。26歳の目黒区議、かいでん和弘です。
議会での質疑にむけてネタを温め過ぎてしまった結果、ブログの間が空いてしまいました(すみません)。
現在、決算特別委員会が行われており、私も持ち時間112分を使い切るまで全身全霊で闘っております。その模様をこれから複数回のブログに分けてお話ししようと思います。
今回の会議は、今まで持ち込みNGだったパソコンの持ち込みを試行実施しています。ようやく目黒区議会にもIT化の波が。快適~
■■今回のテーマ■■
インフルエンザ予防接種について
まだまだ新型コロナウイルス感染症との戦いが続く中ではありますが、今回は、最も身近な感染症・インフルエンザについて。特にコロナ禍の中での子どもへのインフルエンザ予防接種に焦点をあてていきます。
まず確認。目黒区でインフルエンザ予防ワクチンを接種する場合、ざっくりとした料金(金額については差がありますのでそれぞれの病院でご確認ください)はこうなっています。
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私はこれを見て、「親御さんは大変だよなぁ」と思うわけです。子どもは2回接種で高いですし、そもそも自分の財布を持っていませんから、親が負担することになると。そうすると、親御さんは自分の分と子どもの分とどちらも払わないといけないですから、負担は大きいですよね。
子育て中の方とお話ししていても、「補助をしてほしい」というご意見を頂くことが本当に多く、私も選挙の時から公約に掲げていたテーマであります。
そして実は、以前から区議会でも別の議員から指摘されていたんです。ただし、区の回答はいつも同じ。
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「インフルエンザワクチンには、発病を抑える効果が一定程度認められておりますが、高い発病予防効果というのは期待ができません。インフルエンザワクチンの最も大きな効果は重症化予防でありまして、日本ではインフルエンザにかかると重症化しやすい高齢者に対して、定期接種として実施しているところでございます。
本区においては、インフルエンザの重症化予防を図るために、高齢者への対策を優先して接種費用の全額助成を実施してまいりました。このような背景から、小児に対するインフルエンザワクチン接種費用の助成に関しましては、今後の重要な研究課題と認識させていただいております。」
つまり、「子どもの予防接種については国で定める定期接種になっていないので助成しませんよ」ということで終わっていました。
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でも、この冬は…
しかし、このコロナ禍にあってはその対応をもう一度考え直す必要性が出てきています。インフルとコロナは症状が似ているため、どちらにかかっているかの判断が難しく、同時流行が発生することで検査機関や医療機関がひっ迫する可能性が非常に懸念されているからです。
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このことを受けて、日本感染症学会のインフルエンザ−COVID-19 アドホック委員会は8月に出した提言のなかで、
「今冬は、COVID-19 とインフルエンザの同時流⾏も懸念されるので、⼩児へのインフルエンザワクチンについても、接種が強く推奨されます。」
と記載しました。
ここでとくに強調させていただきたいのは、この最後の「接種が強く推奨されます。」というこの文言が、同じ提言の中で、医療関係者や⾼齢者、ハイリスク群の患者に対しての書かれ方「ワクチン接種が強く推奨されます。」と同じ温度感、同じレベルでの書き方で、注意を求められているということです。
すなわち、これまでの目黒区の見解のように、高齢者のリスクが高いのでそこにだけ区として対策しますというのでは、少なくともこの冬は不十分だということが示唆されています。
そしてその提言を受けた厚生労働省の部会の9月10日の発表によれば、厚生労働省としても乳幼児(生後6か月以上)から小学校低学年(2年生)までに対して、接種を呼びかけるとされていて、国も子どもにもワクチン接種を促していくことが明らかになりました。
出典:厚生労働省HP「次のインフルエンザ流行に備えた体制整備 」
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いや、そもそもの話…
そもそも、従来の区の見解は、「あくまでインフルエンザワクチンの最も大きな効果は発病予防ではなく重症化予防」であるとのことでしたが、これに関しては、厚生労働省もWHOもアメリカの疾病対策センター(CDC)も、インフルエンザワクチンには発病を抑える効果も一定程度認められていると言っていて、例えば厚生労働省のHPには、6歳未満の乳幼児についてもワクチンの有効率は60%であると報告された研究があることが記載されています。
(ここでいう有効率とは、「ワクチンを接種しなかった人が病気にかかるリスクを基準とした場合、接種した人が病気にかかるリスクが、『相対的に』どれだけ減少したか」ということを表すもので、下の画像のようなことを意味します)
いずれにしても、子どものインフルワクチン接種には、高齢者ほどではないにせよ一定の発症予防効果があるということが、国内の研究で示されています。そう考えると、やっぱり子どもも打った方がいいし、負担が重いのだから行政が支援するべきだと思うんですよね。
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他の区では…
他区の状況をみると、今年度は、渋谷区、世田谷区、大田区、品川区、港区となんと目黒区を取り囲む全自治体で子どものインフルエンザワクチン接種を助成もしくは無償化するほか、もともと助成していた新宿区、台東区、千代田区、中野区に加えて、今年度は葛飾区と文京区の計11区が、現時点ですでに子ども予防接種に助成もしくは無償化することを表明しています(9月17日現在)。
目黒区でも、子どものインフルエンザワクチン接種についても、少なくともこの冬は助成を行ってしかるべきではないでしょうか。
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と、このような趣旨の質問をしました。
さて、それに対する区の答弁は次の通り(要旨)。
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区といたしましては、65歳以上の定期の予防接種の方について、今シーズンは特に早めの接種を呼び掛けていくとともに東京都の事業を活用しまして、定期接種の対象者(65歳以上)は自己負担なしで摂取するという体制を整備して図っていきたいと考えております。
生後6か月から小学校2年生までのお子様についても、インフルエンザワクチン接種が推奨されておりますので、定期接種の次に優先して接種ができるようにと、よく周知をしていきたいと考えております。
ワクチンの製造予定量というものが、昨シーズンの使用料に比べて今シーズン12%ほど増えるということで、これはワクチンの製造量としては過去5年間で最も多い量にはなりますけれども、昨シーズン打っていた十分な量はありますけれども、ワクチンの量にも限りがあるということを踏まえて、区としてはまずは定期の予防接種の対象者、かかったときの重症化リスクの高い高齢者を最優先という風に考えております。←???
お子様のインフルエンザワクチン接種の費用助成については、現状では難しいと思っております。
うーん、これ以上ないほど後ろ向きな回答ですね…
最後の方のワクチンの量については、「多いのか少ないのかどっちやねん!」って感じですけど、今年の量はこんな感じです。
出典:厚生労働省HP「次のインフルエンザ流行に備えた体制整備 」
これ、仮に「ワクチンの量が足りないので対象を絞らないといけない」ということなら、高齢者とともに子どもにも優先して打ってもらう必要がありますから助成する必要がありますし、「逆に足りている」ということなら、そもそもワクチンの量を引き合いに出す必要はありませんよね~、とちょっと区の回答を聞いていて「???」でした。
ただ、区としても周囲のすべての区が助成するとは予想外で、かなり驚いていたみたいですので、何とか助成ができないか、あと一押しいろいろ手を尽くしたいと思います。
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いずれにしても、とにかくこの冬は、リスクの高い方や必要な方(65歳以上の方・医療従事者・基礎疾患を有する方・妊婦・生後6か月~小学2年生)に重点的にワクチンを回していく必要があります。小学2年生までのお子さんは10月26日から接種開始となりますので、ぜひお近くの病院でワクチンのご予約をご検討ください。
出典:厚生労働省HP「【資料2】リーフレット(合同部会後版)」
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