『かいでん何やっているの報告』
任期4年間の一番のミッションは若い世代の声を政治に届けること。かいでん和弘です。若い人の間に漂う「自分の1票じゃ世の中変わらなくない?」を打破するために、学校での主権者教育を全力で推進していきます。
といいつつ、ひとつ疑問が。
「そもそも、主権者教育って、どうやるんだ?自分が学生の時、受けたことないし……」
何をいまさら!!という感じですがまずは現場を見てみるべく、板橋区にある都立高島高校に、授業の見学に行ってきました。
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授業といっても、先生は大学生。高校2年生の8クラスに対して、各教室で一斉に(!)授業を行うために、3つの学生団体が集結して企画から練り上げた独自の授業を行いました。授業風景の写真がNGなのが残念ですが、高校生の僕が好きでなかった政治経済の授業とは違います。(「衆議院定数465人、参議院248人、比例代表はドント方式……」)
タイトルはずばり、
【選挙プランナーになって、若手候補者を勝たせるRPG】
高校生がある候補者を当選させる参謀役になり、政策や戦略を選択します。若い候補者、若い参謀で若い人向けに政策を訴えたい思いはあるのに、それでは高齢者票が取れず受からない、というディレンマを感じてもらうことで、若い人が選挙に行く意義を“肌で感じて”もらうプログラムでした。その授業内容の完成度の高さに、私はただただ敬服するばかり。
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実は今……
こうした大学生による主権者教育の取り組みは、存亡の淵にあります。それは、大学生にとって“参加するモチベーション”が感じられないから。大学生が主権者教育のプログラムに参加したからといって、
……大学から単位が出るわけでないし、
……準備にヒアリングや学校との調整など多くの時間もかかる上に、
……時に実施する学校も自分たちで探して、
……人数が足りないときの人員集めは自分のつてでお願いしまくって、
……開催時期はあくまで高校の意向にあわせて(それがテスト前であっても)、
……あくまでボランティアということで交通費分の謝礼しか出ず、
……そして授業の効果は、自分で効果を測定できるものでありません(満足感を得にくい)。
選挙権年齢引き下げで社会が盛り上がった4年前、相次いで設立された“義憤に燃える”学生団体では今、当時の主要メンバーが大学卒業とともに脱退し、新入生からは関心を集められず、代替わりに頭を悩ませています。
確かに、上のような条件なら、「バイトやサークル活動の時間を削ってでも参加したい」と思う大学生など、かなり限られるはずです。(今回3団体が連合したのも、1団体だけでは人数がそろわなかったからなのです)
はっきり言って今のやり方は、大学生の“厚意”に甘えた、“持続困難な”制度でしかありません。
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それならほかの担い手を考えてみますか?
① 学校の先生方
業務に追われるなかで、斬新な授業内容を企画することはかなり難しい。
② 選挙管理委員会などの役所職員
説明ベースの内容を、エネルギーにあふれた高校生が聞きたいと思うでしょうか。
③ 議員自身
教育には“政治的中立性”の壁があり、現場からは“取扱注意”という評価です。
④ 企業やプロ講師
主権者教育には多額の予算が付くはずもなく、採算が合わなさそうです。
こう並べてみると、私は大学生にお願いするのが一番いいと思います。若い彼ら彼女ら自身が、出前授業をきっかけに選挙に改めて向き合う、それ自体が何物にも代えがたい“主権者教育”ですし、高校生にとっても、たとえ授業の中の細かな知識が消えても、「ほとんど歳が違わないのに、こんなに真剣に選挙に向き合っているんだ」という新鮮な驚きは、必ず、心に消えることなく残ることと思います。若い人には熱意ある同じ世代の人の言葉が一番響くんです。
だからこそ、目黒区では“若い志”を支える仕組みを作っていきたい。
・・区が大学生向けの予算を確保する。
・・企画に当たって大学生を(現場の観点から)サポートする組織・体制をつくる。
・・大学で単位認定の制度創設に向けて提携を締結する。
・・区が団体の広報を支援する。
・・授業の効果を測るアンケートを実施する。
いろいろとできることはあるはずです。私たちの未来を左右する主権者教育、その芽をこのままつぶしていいはずがありません。全力でぶつかっていきます!
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《本日授業を担当された団体》
株式会社POTETO Media
学生団体ivote
NPO法人YouthCreate
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