活動報告(ブログ)

防災

ペットと避難!でも居場所は屋外?

こんにちは。30歳の目黒区議会議員、かいでん和弘です。

今回は、目黒区のペット防災について物申していきます。

目黒区では現在、すべての避難所において、ペットと一緒の避難が可能です(同行避難)。

ただし、避難ができるのは、犬、猫、ウサギ、小鳥、ハムスターなどの小動物に限られ、またその際は、ケージやキャリーバッグに入れるか、犬の場合はリードやハーネスなどを装着することが求められています。

同行避難に関する条件については、目黒区のウェブサイトに詳しく書いてありますので、ペットを飼育されている方はあらかじめご一読ください。

目黒区発行『ペットと私の防災ハンドブック』より

なお、「自宅が全壊/全焼した」などの理由でケージを持っていけない場合には、各避難所に大きなケージが2個、小さなケージが1個置いてある(※)ので、それを使うことができます。ただ逆に言えばそれしかありませんので、やむを得ない場合以外は必ずケージをご準備ください。

(※)避難所とは別の場所の倉庫も含めれば区内で合計439個のケージを用意していますが、これは避難所1か所当たり11個ほどの数にすぎません。非常に心もとない状況です。

とにもかくにも同行避難は可能となっていますが、実は「一緒に避難したペットが避難所のどこで過ごすか」については、避難所によって異なります。2019年に目黒区防災課が行った調査では、38か所の避難所のほとんどで、動物の居場所は校庭などの屋外を予定している状況だったといいます。

「それなら区役所が『この教室をペットの居場所にする!』と意思決定しちゃえばいいだけでは?」と思うかもしれませんが、そう単純な話でもありません。というのも、避難所の運営は、区の職員だけでなく地域の方や教職員、PTAなどで組織される“避難所運営協議会”によって行われるため、どの部屋をどういう目的で使うかということは、区役所の一存では決められないのです。

目黒区発行『目黒区避難所運営協議会の手引き』P3より

とはいえ、目黒区は何も対策をしていない訳ではありません。屋内の居場所確保が進まないのでその対案として、2022年には、ペットが屋外で生活するためのタープテントを40張購入しました(ふるさと納税で全国から集まった寄付を活用)。

目黒区HP「生活衛生課」内、「令和4年度寄付金の活用事例」より

これが使えれば、屋外だとしても雨風や直射日光はしのげますよね。

使えれば……

……

まぁ使えない可能性が高いんですけれども……。

このテントは、40張中38張が青葉台にある区の備蓄倉庫に、残りの2張は区役所にまとめて置いてあるのです。そのため、38か所の各避難所への輸送ができるのは発災後しばらくたってからになる可能性が高く、屋外に居場所を設けている避難所は、発災直後にはテント無しで運用することがほぼ確定しているのです。

なぜまとめて置いてあるのかと言えば、各避難所の防災倉庫がキャパオーバーだからなのですが、そうであればやっぱり、「屋内のスペースを確保してよ!」って感じですよね。

もちろん避難者のなかには動物が嫌いな方やアレルギーの方もいらっしゃいますので、(飼い主ではない)避難者とペットとが同じ空間で過ごすべきとは思いません。ただ、暑い夏も寒い冬も屋外というのはあまりに酷ですから、先日の議会で私から、「ペット用の屋内スペース確保を、区から各避難所運営協議会に促してください」と要望しました。

正直、目黒区は現状、あまり積極的に促している様子がみられないんです。例えば、区が公表している『地域避難所運営マニュアルのひな形』には、ペットを受け入れることや、ペットの管理はペットの飼い主が当番で対応することなどの内容は記載されていますが、肝心のペットの居場所については何ら触れられていません。こういうマニュアルに区の基準(「ペットの居場所は基本的に屋内とする」など)を書くだけで、ずいぶん違うと思うんですよね。

目黒区発行『地域避難所運営マニュアルのひな形』よりペットに関する部分抜粋(P12)。

目黒区の回答

地域避難所におけるペットの居場所については、それぞれの地域避難所運営協議会をはじめ、各学校や防災課などの関係部署との協議により決定していくものと認識しており、その協議の中で動物愛護の所管課としての要望を伝えていきたいと思います。

屋内の居場所確保を求めはしましたが、実際問題、避難所となる学校の構造は施設によってまちまちで、なかにはどうしても校舎にスペースがない避難所もあるのではと思います。

そういったときには、別にその建物のなかだけでやりくりしようとしなくてもいいのでは、というのが私の次なる提案です。

目黒区には、「補完避難所」という場所があります。普通の避難所のキャパがいっぱいになったときに開設する避難所で、主に住区センターや私立高校・大学、宗教施設などが指定されています。

目黒区発行『目黒区地域防災計画(令和5年修正)資料編』より補完避難所の一覧を抜粋

学校内が無理ならば、こういった近隣の補完避難所の一室をペットの居場所として指定すればどうでしょうか。あるいはテントが学校の倉庫に入りきらないのなら、それも近隣施設の倉庫に置いておくという選択肢もあるはずです。こういった柔軟な発想での居場所確保を求めました。

目黒区の回答

テントの備蓄場所については、地域避難所の防災倉庫の大きさに限りがあるため、ただちに対応することは難しいですが、補完避難所の倉庫なども含めて関係部署と検討していきたいと考えています。

避難先として補完避難所の一室を使うことについてはスルーされてしまいましたが、可能性があるのかどうか、防災課にも聞いてみたいと思います。

議会では、さらに一歩踏み込んだ提案も行いました。それは、区の施設内でスペースを確保することが難しいのならば、もういっそのこと、区民の方に場所の提供をお願いしてもいいのではないかということです。参考になるのが、世田谷区で平成28年度から導入している「被災動物ボランティア」制度です。

世田谷区のこのボランティアには下の表の通り、3つの類型があります。

世田谷区HP「被災動物ボランティアを募集」

このうち3つ目が、施設提供ボランティアというもので、被災動物を一時保護するための施設を提供できる方を区民から募っています。

そしてこの世田谷区被災動物ボランティアには、2023年6月時点で157名の方が登録されており、そのうち施設提供ボランティアも35名いらっしゃるということでした。つまり世田谷区では民間から35か所もペットの居場所を確保できているわけです。

このように、もし区の施設でペットの居場所を確保できないのなら、民間から居場所を募るべきと提案しました。

目黒区の回答

世田谷区の被災動物ボランティアの取組は、ペットの同行避難により発生するトラブルの軽減を図り、同行避難を円滑に実施するために方策の一つとして行っているものと承知しています。目黒区において取り組めるかどうか、調査していきたいと思います。

以上のような工夫は早急に実施していただきたいですが、とはいえすべての避難所で屋内の居場所確保がすぐにできるかといえば厳しく、しばらくは屋内の避難所と屋外の避難所が混在するものと思います。それならば、「この避難所ではペットの居場所を屋内に確保できているのかどうか」をあらかじめ公表するべきです。

2019年の台風19号の時に、Twitter上の区民の投稿を観測していたのでよく分かるのですが、自身の身に危険が迫る状況だったとしても「ペットが避難所で雨風に晒されないか」が分からないと避難に踏み切れないという方は少なくありません。そういった方が日ごろから避難先をシミュレートできるように、また、いざというときに安心して逃げていただけるように、区ウェブサイトや防災アプリなどで情報発信することを要望しました。

目黒区HP「避難場所一覧」より。ペットと同行避難できる旨の案内はありますが、個々の避難所でのペットの居場所は記載無し。

目黒区の回答

令和元年度には各避難所の状況を調査しましたが、その後、新型コロナウイルスの蔓延によって飼育場所の検証が進んでいない状況です。ホームページやアプリに掲載するためには、再度調査をする必要があると考えています。

調査が必要だということだけで、掲載するかどうかは明言しない、うまい答弁ですね(感心している場合ではない)。ただとにかく調査する必要があるというのなら、やってもらいましょう。答弁を受けて、私からは早急な調査を要望しておきました。

実際、「○○小学校のペットの居場所は屋外です」ということをアナウンスするのは勇気がいるものと思いますが、建物の構造的にスペース確保が難しいのならどうしようもないことです。

むしろ思うのですが、そういった場所については、代替策を講じるまでの間、「屋外です」と開き直って周知することで、ペット連れの避難者を近隣の避難所に分散させることができるかもしれません。それって実は、ペットを飼っている避難者にとっても、それ以外の避難者にとっても、決して悪い話では無いのではないでしょうかね。

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