活動報告

福祉(高齢/障がい者)

60歳以上が入浴料タダの区営施設ってなんじゃそりゃ!(下)

 

こんにちは。27歳の目黒区議、かいでん和弘です。

 

今回のテーマは目黒区高齢者センター(田道ふれあい館)の入浴サービスについて第2弾前回の記事で「60歳以上無料入浴サービスを有償化すべきだ」という主張を展開しましたが、今回はその意見を引っ提げて挑んだ区議会での論戦からスタート!(上)からお読みいただくことをおすすめします

 

 

目黒九月の陣・十一月の陣

 

私は、9月の決算特別委員会、および11月の一般質問の機会に、先の5つの理由を指摘しながら有償化を訴えました(2回の戦いをわかりやすく表すために、九月の陣十一月の陣と名前を付けておきます笑)。

 

さて、区の答弁はどうだったか。

 

正直私は、区の答えに納得できなかったので、皆さんも見ていただけますか?

 

戦い1 「民業圧迫ではないか」という指摘をめぐる戦い

 

(九月の陣)

民間の銭湯は、「日常生活における保健衛生の向上」を目的に設置されている。一方、高齢者センターの入浴サービスは、「高齢者のいきがいづくり」を目的に設置されている。両者は設置目的が異なっているので、利用料を徴収していない。

 

……。

どう思います?

 

目的が違うのでセーフ、という論理はあまり腑に落ちないところではあるんですが、一応高齢者センターも、老人福祉法にも定められた(つまり国の認めている)施設ではありますから、そこを責めるのは筋が悪いなと感じました。

 

でも、そうすると例えばこの事業はどうなんでしょうか。

 

 

これは「めぐろリフレッシュ湯」といって、60歳以上の区民の方なら、1回230円(定価の半額)で銭湯を利用できるという制度です。

 

目黒区が公衆浴場組合目黒支部に出している補助金には、この「めぐろリフレッシュ湯」を実施するためという目的も含まれますから、これも目黒区の行っている事業といって差し支えないでしょう。

さて、この部分を見ていただきたいんです。

 

 

注目すべきは目的。「健康増進と地域社会の交流などのため」に実施しているといっているんです。

 

つまり、区の見解をまとめると、「日常生活における保健衛生の向上」が目的の入浴ならば470円(銭湯)、「健康増進と地域社会の交流など」が目的の入浴ならば230円(リフレッシュ湯)、「高齢者のいきがいづくり」が目的の入浴ならば0円(高齢者センター)。

 

まるで、「高齢者のいきがいづくり」>「健康増進と地域社会の交流など」といっているかのよう。線引きがさっぱりわからないと思いませんか?

 

私はこの点を十一月の陣で指摘し、質問しました。その結果、

 

(十一月の陣)

「民間の銭湯につきましては(……)、一方高齢者センターにつきましては(……)」

 

九月にも聞いたことを繰り返すだけで、新たに指摘したリフレッシュ湯については、一言も言及がありませんでした。「のれんに腕押し」、といったところでしょうか。

 

そして悔しいのが、私は5つの理由を挙げて指摘していたのですが、それらの理由の中で、反論していただけたのはこの「民業圧迫」の点だけ。あとの4つの論点はスルーして、区としての理由を別角度から主張されました(こういう議論を水掛け論というのでは?)。戦いは、区のペースで進むことになります。

 

戦い2 このサービスに「多くの人が感謝している」

 

(九月の陣)(十一月の陣)

区民の方からは、コロナ禍においても高齢者センターの入浴サービスが実施されていることで、社会とのつながりを持つことができたとの声もいただいており、入浴サービスを心のよりどころとしている高齢者が多く存在していることを改めて認識しているところでございます。

 

これを言われると、少し同情的になってしまうところもあるんですが、よくよく考えてみればどうでしょう。区の行うサービスのなかに“利用者が一人もいない”、あるいは“感謝している人が一人もいない”、そんな事業は、果たして存在するのでしょうか。答えはNOです。利用者がゼロ、あるいは「ありがたい」と感じる人がゼロ、そんな施策がもしあれば、一瞬で廃止されているはずですし、そうじゃない99%の事業はその事業に「助かっている」と感じる人が多少なりともいるからこそ、今も行われているわけです。

 

でもじゃあ、「感謝している人がいるのだから見直すべきではない」、ということを言い出してしまうと、区の99%の事業は見直すことが不可能になります。それはおかしいですよね。区民の方の税金で運営されるからには、すべての事業について「費用対効果」を考える必要があるはずで、もし「感謝の声」を盾にするのであれば、「今まで議会から訴えて実現に至っていない多くの提案にだって「その事業を求める声」があったのでは?」と言いたくもなるのです。

 

しかも私が訴えているのは、入浴サービスの「廃止」ではなく「有償化」。コロナ禍においても高齢者センターの入浴サービスを実施したらいいじゃないですか。ただし、「利用する人としない人をフェアにするために100円はいただきますよ」と。そんな方法でも十分、社会とのつながりを持つことができるのではないでしょうか。ここも区の答弁に納得できないポイント。

 

戦い3 「東京都がだめだと言っているんです」

 

そのうえで、私は九月の陣で区から痛恨の一撃を食らいました。

 

(九月の陣)

高齢者センターが入っております田道ふれあい館は、清掃工場の還元施設という位置づけもございます。東京都から土地を無償で借りておりまして、収益事業を行うことが認められないという見解もいただいております。

 

確かに田道ふれあい館は、「近くに目黒清掃工場(いわば迷惑施設)を建てるので、その埋め合わせに」ということで土地を都から便宜してもらっています。また実は、お湯を沸かす燃料も、清掃工場の焼却熱を利用しているので、大変安く済んでいるという事情もあります。

 

議場で部長からこの理由を持ち出されたとき、私は唖然とし、頭が真っ白になりました。「もしこれが本当なら、そもそも自分の主張はお門違い。自分の提案力もまだまだなんだな。」と。でもあまりに悔しかったので、その後念のため、東京都に確認を取ってみたんです。

 

「本当に清掃工場の還元施設では収益事業を行ってはいけないんですか?」

すると……こんな事実を教えていただきました。

 

 

そう、他の区では、還元施設として東京都から土地を無償で貸与している施設でも、普通に利用料を徴収しているんです。「なんだ、できるんじゃん」っていう感じですよね。さてその結果を持って臨んだ十一月の陣、私は若気の至りか(?)憤慨し、こう指摘しました。

 

(十一月の陣)

東京都に確認を取りました。その結果、表の通り、大田区、豊島区、北区、練馬区、足立区、葛飾区において、清掃工場の還元施設として東京都から土地を無償で貸与された施設で利用料を徴収している例が存在しました。つまり、区の答弁は明確に誤りであります。

せっかく目黒区をもっと良くしたいと思って提案しているものを、事実に合致しない理由を持ち出して否定されてはかないませんので、以後はより丁寧に確認したうえでご答弁いただきたく、強く要望いたします。

 

対する区の答弁。

 

(十一月の陣)

議員のご指摘では本年9月の決算特別委員会における答弁は明らかに誤りである、とのことですが、平成28年に高齢者センターで参加料を徴収する講演会を開催する際に、無償で貸し出している土地で収益事業を行うことは認められないという見解をいただいております。最近では都の還元施設で料金を徴収しているところがございますが、いずれもスポーツ関連施設であり、社会状況の変化も踏まえ、最低限度の範囲であればかまわないとの判断もあるかと存じます。

 

どうです?この平行線(最後の方は文意がつかめない…)。

 

おそらく、別に区はウソをついているという意図なんてなく、実際に28年時点では確かにそういう見解を得ていたのだと思います。でも少なくとも今現在はそうではありませんし、有料化しているサービスのなかにも、ホールや会議室、集会施設などスポーツ関連施設とは呼べないものも含まれています。

 

いやそもそもなぜ、スポーツ施設では料金を取ってもよい、高齢者福祉施設では料金を取るべきではない、という判断になるのか、そこもわからないところです。実際、法律や条例を見てみても、高齢者センター(老人福祉センター)で料金を取ってはいけないとしている条文は一つもありません。

 

老人福祉法

(老人福祉センター)
第二十条の七 老人福祉センターは、無料又は低額な料金で、老人に関する各種の相談に応ずるとともに、老人に対して、健康の増進、教養の向上及びレクリエーションのための便宜を総合的に供与することを目的とする施設とする。

 

老人福祉法による老人福祉センターの設置及び運営について(厚生省社会局長通達)

老人福祉センターの利用は、原則として無料とする。
ただし、必要により費用を徴収する場合にあつては、当該利用に直接必要な経費以下の額とし、地方公共団体が運営する場合にあつては、条例において規定し、その他の団体が運営する場合にあつては、運営規程等において規定するものとする。

 

目黒区高齢者センター条例

(使用料等)
第10条 高齢者センターの使用料は、無料とする。
2 区長は、第3条(筆者注;浴室含む)に規定する事業に係る実費を徴収することができる。

 

いや、禁じる条文がないからこそ、有償化している自治体もあるわけで、当たり前のことですよね。

 

 

論戦を終えて

 

自分なりに論理を組み立てて、有償化すべき根拠を示して言ったつもりだったのですが、区の答弁はその主張を否定することなく、別の論理を展開するという水掛け論に終始し、二度の戦いを経た区の考えは、

 

区といたしましては、都の還元施設である高齢者センターの入浴サービスの有償化については、慎重に対応してまいりたいと存じます。

 

とのことでした。これは長期戦になりそうです。

 

ここまでお付き合い皆さま、ありがとうございます。

皆さんは、どう思いましたか?

 

 

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