活動報告(ブログ)

子育て支援/福祉

妊産婦支援② 出産費用の補助を!!

こんにちは。27歳の目黒区議、かいでん和弘です。

「妊産婦さんへの支援」の後半戦。前回のブログは“出産前の支援”が足りていないということでしたが、今回からは“出産後の支援”について書いていきます(長くなるのでブログを分けます)。

今回は、「分娩費(=出産費用)補助を行ってほしい」ということについてです!

前編はこちら「妊産婦支援① 妊婦健診の負担を減らそう!!」

東京での出産、高すぎ

出産にかかる費用は病院ごとにまちまちなわけですが、大きく見ると、国内でかなりの地域差があることが知られています。なかでも東京都は分娩に係る費用が日本一高くて、平成28年度(5年前ですがこれが最新のデータ)に国民健康保険中央会が行った調査によると、正常分娩分の平均的な妊婦さんの負担額は、

公益社団法人 国民健康保険中央会HP「出産費用 平成28年度」より https://www.kokuho.or.jp/statistics/birth/2017-0620.html

東京都は平均値で62万1千円余と、全国平均の50万5千円余に比べて10万円以上高い状況です。

 

また、公的病院に限った出産費用で比べてみても、厚生労働省保険局が令和元年度にまとめた公的病院 都道府県別出産費用では、東京都は平均値で53万円余と、こちらも全国平均の44万3千円余に対して10万円近く高くなっています。

令和2年12月2日 第136回社会保障審議会医療保険部会資料「出産育児一時金について」より https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000700493.pdf

なおこれらの数字は、多摩地域や島しょ地域まで含めた都内全域の平均ですから、正直、目黒区の病院はもっと高いんですよね…(70万円+αくらいかかることも)

ひぇ~、都内で出産するって、こんなハードなのか~

 

全国一律の補助はあるが

 

さすがにこんなにかかると厳しいので、公的な支援も用意されています。もっとも代表的なのが、国民健康保険の加入者が出産したときに支給される、「出産育児一時金」です。でもその金額は…

川崎市HP「出産育児一時金」 https://www.city.kawasaki.jp/350/page/0000017106.html

全国一律42万円ですから、地方ならまだしも東京で出産しようとすると、分娩の費用だけで10万~30万円ほどの出費が発生するのです。

この「出産育児一時金」については、国に増額するよう求める意見書が各地で出されています。

(例)今年9月にも広島県議会で意見書が可決。

しかし、国の動きは鈍く、昨年12月の段階で増額は見送る方針を示しています(はやくて2022年となりますがどうなることやら)。

(参考)日テレNEWS24『「出産育児一時金」来年の増額は見送りへ』(2020年12月3日)

なお、このたびの衆院選で、公明党、立憲民主党、日本維新の会がこの出産育児一時金の増額をマニフェストに掲げていますね。国が増額してくれれば、この後の議論はいりません。

 

都の支援は対象が狭い

 

もちろん、生活保護受給世帯や住民税非課税世帯など、真にお困りのご家庭に対しては、東京都が入院助産費用助成という制度で助成を行っています(分娩介助料などが無料になります)。

目黒区HP「入院助産費用」 https://www.city.meguro.tokyo.jp/kurashi/ shussan/ninpu_josei/josanhiyo.html

でも、例えば目黒区の生活保護世帯は全体の1.5%くらいですから、対象はうんと狭くなっています。この基準に該当しない“普通の”ご家庭でも、この額の出費は痛いですよね~

 

独自の支援を行う自治体も

 

そんななか、全国一高い都内での出産を支えるために、区独自の上乗せ助成をしている自治体もあります。

千代田区、渋谷区、港区は23区の中でも圧倒的に財政力が高く、区民一人当たりの区の基金(=貯金)残高も目黒区より多い区ですから、同じ勢いで追従したら無理が出ることは分かっています(苦笑)。でも、例えば世田谷区は、区民一人当たりの区の基金残高で20位(目黒区は14位)と、決して恵まれた条件ではない中でも、第三子のみに限って補助するという方法により支援を行っています。

そこで、目黒区でもそのような支援を検討できないかと区に訴えました。

 

またも渋い、区の回答

 

目黒区の回答は次の通り。

東京都の出産費用については62万円を超える高額となっております。また、低出生児や周産期障がい者への対応ができる総合病院となりますと、さらに高くなります。産科婦人科のクリニックであっても、メニューをそろえて産婦のニーズにこたえるということで、かなり高額になってきているという現状についても、把握しているところです。

子育て世代の経済負担を軽減して、子どもを産み育てやすい環境を整備するということは、大事な観点として考えていますが、まずはどういう経済状況にあるご家庭にどのような支援をしていくのかということを精査するということも必要であると考えます。

大きな視点をもって考えていく課題であると認識しておりまして、現時点では、出産に関わる費用について、広く助成をする考えはないところです。

これも国が動かないとだめなのか…というのが第一感。

やっぱり世田谷区方式で、何人目のお子さんから補助しますとか、そういうことを行うべきだと思いますし、そういう提案をにべもなくはねつけて、でも「出生率1.50を目指します」って、どの口が言っているんだ!って感じです(目黒区の令和元年度の合計特殊出生率は1.05)。

『目黒区人口ビジョン』より https://www.city.meguro.tokyo.jp/gyosei/keikaku/ keikaku/sougousenryaku/tihousousei.files/02vision.pdf

 

上の切り抜きにあるように、区の計画にはしっかりと「1.50を実現する」と書かれているんでよね~。この出生率についてはかなり思うところがあるので、いつの日か別稿に書きたいと思います。

「昔は補助なんて全くなかった」

こうして「妊婦さんへの支援をもっと手厚くしてほしい」などということを言っていると、一昔前に子育てをされていた世代の方から「私たちの時代にはここまで手厚い助成はなかった」というご指摘もありそうです。確かにおっしゃる通りではあるのですが、下の表のとおり、日本全体の出産にかかる費用は、ずうっと右肩上がりが続いているんです。

令和2年12月2日 第136回社会保障審議会医療保険部会資料「出産育児一時金について」より https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000700493.pdf

昔ほど支援が薄いわけではありませんが、昔よりも状況が厳しくなっていますので、そこの部分はぜひお含みおきいただきたいと思います。なお、この値上がりの原因について厚生労働省は、“どのような要因により増加しているのか明らかではない”としています。

次回は、《宿泊型産後ケアの充実を》について書きます。それでは。

《続きの記事はこちら》

 「③ 平均と倍違う!宿泊型産後ケアの充実を!」

「妊産婦支援④ 近くて遠い、碑文谷保健センター」

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