活動報告(ブログ)

街づくり(桜/道路/川)

お花見に代えて ~桜の話~

こんにちは。
コロナウィルス問題に揺れる中、皆様も大変な日々を送られていることと思います。どうか健康に十分ご配慮の上お過ごしください。

 

先週、区長からビデオメッセージが出されましたが、この春は、お花見を含め不要不急の外出をお控えいただきますよう、お願いいたします。

目黒区HP『目黒区長のメッセージ』

 

今回のブログでは、ぜひ皆さんに来年以降のお花見を楽しみに思っていただけるよう、(お花見に代えて)桜のこれからの話をします。

※ 本記事の写真は、昨年または今年の外出自粛要請の発表前に撮影した画像を使用しております。

 

 

1,これまでの話を。

 

目黒区では今、桜の老齢化が進んでいます。区内に2,300本ある桜の木のうちの半数近く、1,000本が今後10年以内に木の寿命と言われる樹齢60年を迎えるため、倒木や枝折れの危険性も年々、高まっています。(去年の台風19号の時には枝折れが79件起きてしまいました…)

 

そこで現在、区内各所で桜の伐採と、(本数は限られますが)植え替えが行われています。まずは目黒の桜を守るために、区がどんなことを行っているか、そのご説明から。

 

《桜保全のための手順》

① 樹木診断を定期的に行います(樹木医による外観診断および精密診断)。

 ↓↓↓

② 不健全だと分かった木については切り株にします(伐採)


 ↓↓↓

③ 切り株の状態で2~3年放置します。土の中の水分によって、根っこを腐らせるためです。 👆知らなかった~

 ↓↓↓

④ 根っこが十分腐った状態で、引っぱれば簡単に取れます(伐根)。その後、空いた穴を植え替えまでの間一時的に白い土系舗装で覆います。

 ↓↓↓

⑤ 白い土系舗装を壊して、若木を植えます

 

 

そして、代わりにどの種類の桜を植えるかは、それぞれの地域の特色を考慮した配置になっています。ここからは地域ごとに計画をご紹介します。

↓↓↓

●立会川緑道

 

田向円融寺通り

既存のソメイヨシノはそのまま保存。植え替えの際には間隔を今よりも開けて植える。

 

●碑さくら通り

 

●呑川本流緑道

 

●碑文谷五丁目緑地

 

●目黒川桜並木

既存のソメイヨシノはそのまま保存。植え替えの際には間隔を今よりも開けて植える。

 

 

以上に共通しているのは、今までの植え方だと桜に負担がかかりすぎているということ。

緑道に植えられた桜は、これまでのソメイヨシノでは👇の図のように、狭いスペースに無理して植えられているため、木の生育によくないそうです。そこで、多くの場合、少し小ぶりのコシノヒガンやコヒガンを中心に植えていくことになります。

 

また、目黒川などのスペースに余裕がある桜並木についても、もう少し木と木の間隔をあけなければ十分に生育しませんから、植え替えのタイミングで本数を減らす必要があります。桜の木も生き物ですから、見栄えなど人間側の都合を一方的に押し付けるのはよくありませんものね。

 

それぞれの桜並木の詳しい計画は以下のページに載っています。
目黒区HP『目黒のサクラ再生実行計画』

 

 

2,来年度の話を。

過日、議会の予算特別委員会が終了し、来年度の予算が決まりました。

それによれば、来年度、桜の保全に使える金額は2,257万7千円となっています。この枠の中で、来年度(明日から始まりますが笑)は次👇のようなことに取り組んでいくことになります。

 

~~《Menu》~~

① 5年前にやった樹木診断をもう一度区内全体で行う。

② その中で、危ないと診断されたものから伐採していく。

 

まずは👆を行って、予算の余った分で👇を行います。(あまりに危険な木が多いと、伐採だけで予算が尽きてしまう可能性も?)

 

③ 田向円融寺通り  立会川緑道 で桜の植え替えを行います。

ただ、この2か所のうち、どの木から順番に植樹していくかは、秋口に決定になるとのこと。(おそらく現時点で白い舗装がしてあるところからではないでしょうか?)

 

~~

こういうことについて、目黒区の広報は十分行き届いていない気がします。私も緑道沿いの住人の一人として、伐採が進んで景色が寂しくなる一方なのに、区から植え替えについてのアナウンスが一向にないので、「区役所はちゃんと考えてくれているのか」と不安になります。

 

私は委員会で、「近隣住民に説明がない。植え替える時に、何も言わずある日突然植わっているのと、数か月前からここに植えますと宣言してから植えるのとでは、役所の仕事に対する印象も全然違う。ぜひどこに植えるかということを事前に広報してください。」と依頼し、役所から「○月ごろにこの場所に桜を植えます」と貼り紙等で周知をする旨、確約を頂きました。

 

 

3,さらに未来の話を。

 

現在目黒区では、区の一番大事な計画である【目黒区基本構想】に載せる「20年後の将来像」を、

 

『さくら咲き 心地よいまち ずっと めぐろ』

 

とする方向で検討しています(計画は再来年からスタートする見込みです)。これは私も参加していた目黒区長期計画審議会」において、話し合われたものですが、当初の事務局案では、

 

というフレーズだったところ、「長い」とか「目黒らしさが全くない」とか、審議会で叩かれて叩かれて、上記のようなフレーズに落ち着きました。(最初の案はむしろ、議論を百出させるためのカンフル剤にしようという事務局の配慮だったのではと、今になって思います。)

 

なお、審議会では、これを機に区のシンボルを「サクラ」にしたらどうか、という意見も出ましたが、区としては現在の「シイ」から変えるつもりはないみたいです。(区の木って「シイ」だったんだといまさらながら知る)

 

 

いずれにしても、20年後まで引き継ぐ区の計画の将来像に「さくら」という文言が入ってくる予定です。つまり目黒の桜を未来へ残していこうという思いは、区役所も共有しているということ。来年度も着実に植え替えを進めていきます。そして、桜の木は少なくとも20年後まで、さらにそのさきまで、守り続けます。
お花見は、どうか来年に。

 

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