活動報告(ブログ)

議会改革/その他雑感

よみがえれ!「議会図書室」(3月3日追記)

今回はちょっとニッチな(というかあまりに内部の話なので、どなたに読んでほしいのか分からない)話題です。「議会図書室」について。

 

図書室といえば、これまで連載(?)で書いてきた図書館問題がまだ完結していませんが、これについてはもう少し研究してからにさせてください。(スミマセン)

 

議会図書室とはなんぞや

おそらく多くの方が存在すらご存じないことと思います。というのも、目黒区民の方は利用できない部屋です……ただ、文京区など一部の区では誰でも利用できるみたいですね~

この議会図書室は、法律上、議会に必ず設置しないといけないことになっています。

 

(地方自治法第100条18項)

「議会は、議員の調査研究に資するため、図書室を附置し前二項の規定により送付を受けた官報、公報及び刊行物を保管して置かなければならない。」

 

もう少し細かく言えば、

議会がきちんと行政のチェックをするためには、議員の調査能力を高める必要があります。例えば、区役所から出された資料をそのまま鵜呑みにするのではなくて、本来は様々な文献から本当に正しいのか自身で見定めることが求められます。

ただそうはいっても、私たち地方議員には秘書もいませんし、自分ひとりで資料を集めるところから始めていては、とうてい役所には太刀打ちできません(大勢の役人の皆さんが考えたことに1人できりこんでいくのは限界があります)。

だから「代わりに区のお金で図書室を設置するので、ここで調べものをして、区役所の間違いをしっかり指摘してくださいね」という趣旨で置かれているんです。

 

その実態は…

ですから目黒区議会にも、奧の方にひっそりとありますが…

内部はこんな感じです。

 

 

写真から伝わらないかもしれませんが、なんとなく澱んだ空気です。

人の出入りがなく、空間が“死んでいる”のが、一歩入っただけで分かります。

 

そして実は私、議会図書室についてどうするか話し合う「区議会広報・図書室運営委員会」に所属していますが、この半年で1度しか開催されていません。(しかも30分で終了。さらにそのうち29分以上はこの委員会のもう一つのテーマ、“区議会広報”の話題でしたので実質……)

 

でも、書籍購入費として、年間10万8千円を支出しています。(購入する書籍の基準はどこで話し合うんだろう…)

 

どうする?

別に無理に活性化させる必要はないと思うんです。

「司書を配置しろー」だとか、「資料数をもっと増やせー」だとか、そんなことを言うつもりはありません。だって、この目黒区、狭い区内に8つもの図書館があるという恵まれた環境にあるのですから。(というか財政的に上記のようなことができるのは政令市レベルくらいです)

 

とはいっても、このままではただの物置ですから、“テコ入れ”は必要ですよね。

こんなのどうでしょうか、ということで2つ提案します。

 

① 区立図書館や大学図書館との連携強化

 

一番の問題点は、議会図書室が“孤立”している、ということにあると思います。

 

現状、ほかの図書館(区立図書館や大学図書館)との連携はなく、“この図書室だけ”で議員の満足を満たそうというような考えに思えます。

でもちょっと考えてみれば、この狭い図書室内に置ける資料の数なんて知れています。調べものをしようと思ったら、区役所から徒歩3分のところに、資料の充実した区立中目黒駅前図書館があるのに、わざわざ議会図書室を使おうとなることはあるでしょうか。

 

議会図書室は“区内の図書館につながる出先機関”的な役割を担うべきではないでしょうか。

年間10万円かけている書籍の購入は、実はそこまで必要ではなく、本来減らすことのできる予算だと思います。それで仮に議員から図書室に無い資料のオーダーがあったときには「区立図書館の本を貸してもらう」、そんな体制が組めれば十分です。(本の運搬も区の施設を毎日行き来している庁内便に乗せてもらえばタダでは?)

 

あるいは、議員から「○○についての調査をしてほしい」という依頼を受けたときに、そのまま区立図書館や大学図書館のレファレンス(司書の方に資料の調査を無料でお願いできるサービス)を受けられるようにすれば、自前の司書を雇う必要がそもそもなくなります(大津市議会など、そのための協定を結んでいるところもあります)。

 

② 議員間で共有すべき資料の配置

 

もう一点、“議会”図書室らしく、議員で共有すべき情報を開示するべきだと思うんです。「特にこれを図書室に置いてほしい!」というものをあげます。

 

「ほかの自治体への調査結果」

 

議員は、「他の区での取り組み状況を知りたい」と思ったとき、議会事務局に言えば、対象の自治体全てに調査してもらうことができます。

例えば私が、「議会図書室がどれくらいの頻度で使われているか、23区に調査してください」と目黒区の議会事務局に頼めば、事務局がバッと調査票を回していただけます(わざわざ議員自らが1区ずつ聞いて回る手間がいらないんですね)。

そうして調査した結果については、目黒区から依頼をした分はもちろん、他の区の議員が調査して(目黒区も調査対象として回答していた調査については)、調査元の区でまとめた回答一覧についても、目黒区にバックしてもらえることがあります。

 

こんな感じでほかの区から様々な調査がかけられています。

 

この調査結果、別に議会事務局は秘密にしているわけではありませんが、議員の方から事務局に「新しい調査来ましたか?」と聞かないともらえない(そしてそんなことを聞いている方はおそらくいない)ようになっています。これを議会図書室に置いていただければ、間違いなく議員全員の調査活動の助けになります。

 

「視察の報告書」

 

議員は、所属している委員会ごとに年1回、視察に行きます(真面目に視察していますし、海外視察はありません、念のため)。

そこで目黒区に生かすためのアイデアを様々学ぶのですが、視察が終わると、議員は結果をまとめたレポートを議会事務局に提出することになっています。

ただ、そのレポート、普段は誰にも読まれることがなく闇(PCのデータ上)に眠っています。議員も他の議員がどんなことを書いたか見ることはできませんし、区民の方が見ようとすると、なんと“情報公開請求”までしないといけない、という厳戒態勢が敷かれています(!)

 

(余談ですが、私は前職時代、三島市役所(静岡)に公開されていた議員視察レポートを読んで、「こんなことするんだー」と思ったのを覚えています。そう、自治体によっては普通にオープンになっているものなのです。)

 

視察は、委員会の所属議員しか行けないものですので、他の委員会でどんなことをみてきたか、所属していない議員は知ることができません(4つの常任委員会の中から議員は1つしか所属できませんから少なくとも3つはいけないことになります)。

 

そもそも、区民の方の税金で、区の為に視察に行っているものですから、そこで得た知識は、議員一人で独占すべきものではなく、議員や区民の方に広く還元すべきでしょう。

今週、神戸市に視察に行った時のレポートです。また当ブログに報告いたします。

 

まとめ

図書館が集中している恵まれた環境にある目黒区においては、予算をかけてまで議会図書室を充実させる必要はないでしょう。でも、予算をかけなくてもちょっとした工夫次第ではもっと“生気に満ちた”空間に生まれ変われるのではないか、と思います。

(次の図書室委員会で提言するぞー!次はいつ開催されるか分からないけれど…)

※ 3月3日追記
本日開催された図書室委員会で提案してきました。各会派持ち帰って検討していただくことに。結果は4月になりそうです。

コメント

  • コメント (1)

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    • 鈴木規仁
    • 2020年 1月 15日

    興味深い提案です。

    忙しい議員さんの情報取得環境を整える意味で大変有効なアイデアだと思います。

希望しない


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